去年11月に購入した柴田先生の著書「数値相対論と中性子星の合体」をようやく読み終えた。
数値相対論とは、非線形の Einstein 方程式を直接数値的に解くことで、観測可能な物理現象を予測・再現することを目的とした計算物理学の一分野である。
Einstein 方程式は様々なゲージ変換自由度があるが、うまいゲージを採用することで、数値計算上、様々な問題を解消していく過程は考えさせられると同時に感動した。
著書では2つの中性子星系が合体して巨大中性子星・ブラックホールになる過程を LIGO 観測と詳細に比較しており、数値計算と観測結果が美しく一致する様子が記述されている。また数値計算上、残された課題がいくつか挙げられている。(この他、ブラックホール同士の合体、中性子星とブラックホールの合体の数値計算結果の紹介もある。)
数値相対論を扱うには最低1TBのRAMが必要とも言われているので、すぐに現在の PC で実現するのは難しいが、4年後にはクリエティブ向け PC なら実現可能になっているだろうか。その時にまた本書を読み返し、実装してみたいものである。
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